火山灰が降り積もったら

~噴火により放出された火山灰を敷き詰めると高さはどのくらいか~ 

2010年4月14日,アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル氷河にある火山が大規模な噴火を起こし,噴火が始まって最初の3日間で1億mの火山灰が放出され,ヨーロッパの航空便などに大きな影響を与えた。これについて,次の問いに答えよ。

東京都千代田区の面積はおよそ11.64km2である。面積が11.64km2の土地に1億m3の火山灰を敷き詰めたとすると,火山灰の高さはおよそ何mになるか。答えは四捨五入して上から2桁の概数で求めよ。

単位を整理する。
 11.64[km2]=11.64×106[m2]
 1億[m3]=1×108[m3]

 体積[m3]=面積[m2]×高さ[m]であるので,
 1億[m3]=11.64[km2]×h[m]
 1×108[m3]=11.64×106[m2]×h[m]
 h[m]={1×108[m3]}÷{11.64×106[m2]}
    ={100×106}÷{11.64×106
    =8.591…
    ≓ 8.6[m]   //

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三角形の面積(2)

~2辺の長さと面積から1辺の長さを求める~

三角形ABCにおいて
  AB=4,AC=7,0°<A<90°
が成り立ち,かつその面積が4√6であるとき,次の問いに答えよ。

(1)sinAの値を求めよ。

点Bから辺ACに垂直な線を引くと,その長さは{AB*sinA}で表される。


三角形ABCの面積Sは{4sqrt{6}}であるから,
  {S=1/2{*AC*AB*sinA}=4sqrt{6}}
   {1/2{*7*4*sinA}=4sqrt{6}}
       {14sinA=4sqrt{6}}

よって,{sinA=2/7sqrt{6}} //

(2)辺BCの長さを求めよ。

余弦定理より,

 {BC^2=AB^2+AC^2-2*AB*AC*cosA}
    {=4^2+7^2-2*4*7*sqrt(1-sin^2A)}
    {=16+49-56*sqrt(1-24/49)}
    {=16+49-56*{5/7}}
 {BC^2=25}


 よって {BC=5} //

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サイコロの確率(2)

~サイコロを振って出る目の確率~

3個のサイコロA,B,Cを同時に振るとき,どのサイコロの目も2以下となる確率を求めよ。

3個のサイコロを同時に振るときの,すべての場合の数は,
6×6×6=216 216とおり

どのサイコロの目も「2以下」である組合せは,
(1,1,1)(1,1,2)(1,2,2)(1,2,1)
(2,1,1)(2,1,2)(2,2,1)(2,2,2)
8とおり

どのサイコロの目も「2以下」である確率は,{8/216=1/27}とおり //

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2次関数の座標

~二次関数の頂点の座標を求める~ 

2次関数{y=-x^2+2ax+2a} (~aは定数)について,次の問いに答えよ。

(1)2次関数のグラフの頂点の座標を求めよ

{y=a(x-p)^2+q} のとき,頂点の座標は {(p,q)} である。この形に持って行けば良い。

{y=-x^2+2ax+2a}
 {=-(x^2-2ax-2a)}
  {=-(x^2-2ax+a^2-a^2-2a)}
  {=-((x-a)^2-a^2-2a)}
  {=-(x-a)^2+(a^2+2a)}

             Ans. (a , a^2+2a)  //

(2)前の問いで求めた~y座標が最小となるときの~aの値を求めよ。

  ~y座標 {a^2+2a} が最小となるときの~a を求める。

  {a^2+2a=a^2+2a+1-1}
     {=(a+1)^2-1}

この値が最小となるのは,{(a+1)^2}が最小のとき。
カッコの中が0であるときだから,{a=-1}のとき。

               Ans. a=-1 //


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2次方程式の解

~不明な定数を含む2次方程式で,1つの解がわかっているとき,もう一つの解を求める~ 

2次方程式 {x^2+4x+a=0}{~a}は定数)の解の一つが「3」であるとき,もう一つの解を求めよ

{~a}の値を求める。

2次方程式に,{x=3}を代入して,
  {3^2+4*3+a=0}
  {a=-21}

  {x^2+4x-21=0}を解くと,
  {(x+7)(x-3)=0}より,
  {x=-7,3}

  もう一つの解は,「-7」  //

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正の整数の証明問題

3 で割ると 1 余る正の整数がある。この数の 2 乗からこの数自身をひいた差は 3 の倍数であることを証明せよ。

正の整数を n とおく。a は整数とする。
題意より,
  n ÷ 3 = a 余り 1 → a × 3 + 1 = n
∴ n – 1 = 3a

n の 2 乗から n を引いた差は,
  n ( n – 1 ) = n × 3a
a,nは整数なので,3の倍数であるといえる。//

~スマートに書くなら~

3で割ると1余る正の整数は,3n+1 と表される。
この数の 2 乗からこの数自身をひいた差は

 (3n+1)^2-(3n+1)
=9n^2+6n+1-3n-1=9n^2+3n
=3(3n^2+n)

ここで,3n^2+nは整数だから,
3(3n^2+n)は3の倍数である。

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正三角形の面積と辺の長さ

~面積から辺の長さを求める~ 

1辺の長さが{x cm}である正三角形について,次の問いに答えよ。

(1)この正三角形の面積を{y cm^2}とするとき,{~y}{~x}を用いて表せ。

  {y=x*{sqrt{3}/2x}*{1/2}}
   {=sqrt{3}/4x^2}


(2)面積が{9sqrt{3}cm^2}である正三角形の1辺の長さを求めよ。

  {y=sqrt{3}/4x^2} より,
  {9sqrt{3}=sqrt{3}/4x^2}
  {9=1/4x^2}
  {x^2=9*4=36}
  {x=6}  //

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逆数の比

~証明技能~ 

aとbを正の数とする。
このとき,aとbのそれぞれの逆数の比は,b:aと等しいことを証明せよ。

aの逆数=1/a
bの逆数=1/b

逆数の比は,
1/a:1/b

両者に「ab」を掛けると,
1/a:1/b = ab/a:ab/b
        = b:a

よって,aとbのそれぞれの逆数の比は,b:aと等しい //

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三角関数の関係

{sin theta}{cos theta}{tan theta}の関係~ 

{sin theta=12/13}のとき,{cos theta}{tan theta}の値をそれぞれ求めよ。ただし,0<{~theta}<180°とする。

{cos theta=sqrt{1-sin^2 theta}} より,
{cos theta=sqrt{1-(12/13)^2}=sqrt{13^2-12^2}/13=sqrt{25}/13=5/13}
0°<θ<90°  のとき,{cos theta=5/13}
90°<θ<180° のとき,{cos theta=-5/13}

{tan theta={sin theta}/{cos theta}} より,
{tan theta={12/13}/{5/13}=12/5}
0°<θ<90°  のとき,{tan theta=12/5}
90°<θ<180° のとき,{tan theta=-12/5}  //

【公式の意味】

図の三角形で,
{sin theta=a/c}
{cos theta=b/c}
{tan theta=a/b}
である。

三平方の定理より,
{sin^2 theta+cos^2 theta=(a/c)^2+(b/c)^2={a^2+b^2}/c^2=c^2/c^2=1} となる。

よって,{cos theta=sqrt{1-sin^2 theta}}

{tan theta=a/b={a/c}*{c/b}={sin theta}/{cos theta}} となる。

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三角比の表を使った計算

~いつもは電卓を使うけど,基本にもどって三角比の表を使います~ 

図のように,AB=5,BC=4,CA=3,∠C=90°の直角三角形ABCがある。三角比の表から,∠Bの大きさに最も近い角度を求めよ。

{sin B=CA/AB=3/5=0.6}
{cos B=BC/AB=4/5=0.8}
{tan B=CA/BC=3/4=0.75}

表より,最も近い値は,37°  //

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